心の中に女子大生を飼え

心の中に黒人、女子大生、ラッパー、プロブロガー、ポエマー、筋肉、オバマ等を飼育している人間によるブログ。

ぼくの股間のワールドトレードセンターも911しちゃいそうです><

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ヒャーーーワァーーッホ!ッフッフー!!」

 
 
 
ちょうど日本から台風が過ぎ去った頃、
 
 
 
小学校一年生のぼくはアホ面を丸出しで、あずきバーをくわえながらTVにかじりついていた。
 
 
 
 
ディスイズ ア ペンも わからないころ、辛うじて「Dead」と「Die」だけを聞き取りながら、
 
 
 
あぁ、何かがしんだのかなとか思いながら、
 
 
かんじドリルにぼとぼととあずきバーを垂らしていると、ばぁちゃんが僕の口元をぬぐいにきてくれた。
 
 
 
 
 
わかったのは飛行機がぶつかったこと。人が大勢しんだこと。
 
 
きょう牛病で吉野家の牛丼が食えないこと。
 
今度はつばいするピクミンっていうゲームが面白いらしいこと。
 
 
 
14年。
 
 
 
あれから14年たった。
 
 
 
アホみたいな速さで一年は過ぎ去り、
 
 
こたつでミカン食ってる間は季節は春になり、
 
 
花見してたらプールでは浮き輪が泳ぎだし、
 
 
学校で男女の着替えが別になりだしたらいつの間にか小学校を卒業した。
 
ピクミンピクミン2になって
 
名前も知らない海外の動画サイトはようつべと呼ばれ始めた。
 
 
 
中学校でThis is a Penを習い
 
 
 
クラスではカップルが成立し始め、
 
 
 
ぼんやりと部活でテニスラケットをふりまわしてると
 
 
いつの間にかテストの点数にふりまわされ始めた。
 
 
HGが腰をふり、あるある大事典が終わり、飯島愛が死に、
 
 
地図でエロい地名を探しているうちに、志望校を探し出した。
 
 
 
周りにはやされながら下校するカップルを見てるとき、
 
 
 
 
総理大臣という肩書は何人もの彼氏をとっかえひっかえしてた。
 
 
 
卒業アルバムの白ページが寄せ書き真っ黒になった頃、
 
高校のテストの紙は真っ白になり始めた。
 
 
ずっと友達でいようなんて泣きながら抱き合ってた友達たちは
 
 
元気に高校の友達と仲良くしはじめて
 
 
911なんてあったなぁ、なんて時々思い出しながら
 
 
ティッシュはみるみる消費された。
 
 
大嫌いだった九九の7の段がいつまでたってもできないうちに、
 
偏微分極値を求めろと言い出した。
 
 
 
毎日登校して、部活して飯食ってティッシュが減って
 
 
14年前に死んだ人はそのままご愁傷様でした。
 
 
ひとりスケートボードにのっかてると
 
 
友達は女に乗りかかっていた。
 
 
ボールをはなすまいと必死にフィールドをかけていると
 
友達は女の上を「かけて」いた。
 
 
 
 
かっこつけて球技大会で背面キャッチしたボールは、
 
 
 
そのまま単位と一緒に地面に落ちて行った。
 
 
大会で流したしょっぱい涙はマックのフライドポテトへと変わった。
 
 
部活に燃えている頃、東北地方では地震で町が燃えた。
 
 
 
 
世界では常に貧困なのに他人事のようにふるまっていたTVは
 
 
そんな暇があったら募金しろと騒いだ
 
 
 
苦笑いしながらチロルチョコの包み紙をポケットに突っ込んだ。
 
 
 
ポケットからは定額給付金がこぼれ落ちた。
 
 
 
飛ばしていたゴム風船はいつの間にかコンドームに。
 
 
歯磨き検査薬の赤い錠剤はいつの間にかピルに。
 
 
 
 
 
大統領選挙はいつの間にかAKBのセンターを決め始めた。
 
 
 
久しぶりにあった同級生は何も変わらないように見えて変わっていた。
 
 
 
受験でペンを握る同級生は
 
 
大学で先輩の「モノ」を握りしめ
 
 
笑いながら見せたテストの点数は給与明細書の数字に溶けだした。
 
 
生徒会長は会長へ。
 
 
部活終わりに飲んだファンタはビールに。
 
 
火がつかないはずのココアシガレットはもくもくと煙を吐き出した。
 
 
 
 
 
 
 
台風が過ぎ去ってしばらくしてから、
 
 
僕は火曜日に控えたゼミを前に、あずきバーをくわえてパソコンをにむしゃぶりついている。
 
 
悪戦苦闘しながら近似値を求める。
 
 
 
悩み抜いた末にはじき出した値、
 
911
 
にぼどぼどとあずきバーの滴を垂れた。