心の中に女子大生を飼え

心の中に黒人、女子大生、ラッパー、プロブロガー、ポエマー、筋肉、オバマ等を飼育している人間によるブログ。

私の就活の軸は、仏教です


「面接でちんちんを出して、説明会に母親を連れて行く。」




そんな妄想をしながら俺は就活中にネクタイをしめていた




面接中にふと思う。




「あ、チンチン出してみたい。いますぐ急にちんちんを出してみたい。」




「志望動機は何ですか?」で、




「コレが俺の答えや!」と叫びながら局部を露出。

役員の「ほぅ…」という声。



「採用」


と、妄想する。




「面接でチンチンを出す。」



面接で印象を残したいと思っても「ちんちんを出す」というのは当然やっちゃいけない。



奇抜なことをする、というのは案外簡単で誰でもできる。

しかし、「ルールやコンプライアンスを守りながら奇抜なことをする」ってのが正しいのである。




ボクシングで拳銃を使う。短距離走で全身を改造し、ジェットエンジンを搭載する。
しりとりで「ンジャメナ」を乱用する。
それと同じだ。守るべきルールは守らなければならない。



個性的であろうとする為にルールを破るのはただの思考停止だ。


そんな事は少し考えればわかること。


しかし、俺はずっと「面接中に急にチンチンを出したい」と思っていた。


なぜ彼はー就活の面接という重要な場で、思考停止としか言えないこのような考えにいたったのか。それを、解説し知見としてシェアしていく。




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就職活動は「就活とはこういう物」論が大量に存在する。



聞いただけでもこれだけある。



新卒ならベンチャーにいけ、大企業でも幸せでなければ意味が無い、やりたいことをやれ、時代はyoutuberだから社会の歯車はバカ。

大きい裁量を望め、平均○社はエントリーしろ、遊んでたやつが面接に強い、いや、真面目じゃなきゃ意味が無い。学歴フィルターがあるから背伸びは無意味。B型は選考に不利。保育園卒はお昼寝ばっかしてたから不利、幼稚園卒が良い。帝王切開で生まれた奴は人の心が無いから自然分娩が有利etcetc。。。





なるほど、なるほど、、

じゃあとりあえず使えそうな事として面接で「O型で、出身は保育園でしたが、私はお昼寝の時間も本を読むなど精力的に勤めてきました。また、自然分娩の逆子でしたのでこの経験を基に自己のバイタリティには自信があります。」

これか?これでいいのか?いや、たぶんだめだろ。わからん…

どうすればいいんだ、俺は、、俺は何を信じるべきなんだ...




そりゃ、簡単には選べない。選んじゃいけない。お金ほしいとかもわからんけど、生きる為にお金は必要らしいし、でもたくさんお金貰ってもやりたい事じゃないと後悔しそうだし、つまりつまりつまりえーーーーーと!!!


ロジック。


キャリア。



さまざまな意見を取り入れた末に、俺が到達したのは



「うーーーーーん・・・」





「よくわからん」







「思考停止」である。



「悟った」とも言える。



悟り瞑の元祖、仏教の伝来者であるブッダ


通所ブッダこと本名「ゴーダマ・シッダールタ」



ブッダは考えた。考え続けた。宮殿を捨て、野原を駆け巡り、俺と同じように現世に苦悩し悟りにいたったのである。




そのブッダの結論はー「よくわからん」


だったそうである。そうして、俺も思った。
就活、よくわからん。

悟った。俺は悟ったたのである。


なぜこの考えにいたったのか。説明しよう。


就職活動について情報収集すれば既に内定を得た学生が内定先を自慢しあう。


「イチオー内定5社w」「larg70企業っすw」「商社w」


これは通称「マウンティング」と呼ばれている。






就活生が「A社内定」といえば、相手が「B社内定」と言い返すマウンティング。

マウンティングには基本的に限界がない。

年収1000万を誇った所で世界には年収2000万、果ては1億、10億、

通過発行権の有無まで到達する。

上には上がいる。この為、マウンティングは得てして定量化から抜け出し抽象化へと進み、より抽象化と構造の俯瞰が出来ている物が強者となる。


就活生が「A社内定」を誇ると

それを見た社会人が「俺も就活してたときはあんなんだったな~w」と



経験と立場によるマウンティング。
「物的な状況を喜んでいる事の浅はかさ」のマウンティングである。

なるほど。これには反論できない。



それを見たベテランが「就活生をバカにしちゃって。。結局幸せじゃなきゃ意味がないよ?」



今度は「摂取した幸福量よる」マウンティング


今度は状況や立場によるマウンティングから幸福という概念でのマウンティングだ。すごい。



それを見たクリエイターやベンチャー社員による「幸せなんて考えるだけ無駄で、夢中になればいいいのに。」

今度は「熱量」によるマウンティング


幸せ、という事について思考している事へのマウンティング。


幸せについて思考している状況がそもそも不幸であり、熱量が重要であるというアプローチだ。確かに真に幸福な時に人は幸福について思考しない。



その後、既婚者による「結婚してなきゃ意味ないのにね。人間って子供生まなきゃ一人前になれないよ?w」


今度は社会を前提にしていた議論から種というアプローチだ。戻った。時間が原始時代まで巻き戻された



「子孫を持つ」




今度は「種としての意味」を基調としたマウンティングである。
確かに。社会の構造について議論していたが幸福以前に俺たちは霊長類ヒト科の生物である。

自然界で幸福や熱量があるから、という理由で子孫を残さない種は存在しない。
熱量に関して議論した所でマイノリティー。




自然界で見れば圧倒的マイノリティである人類よりも犬、猫、蟻、果てアメーバまで含んだマジョリティからの視点へ持っていった。



コイツは俯瞰できている。全体構造が見えている。


さすがにこれ以上のマウンティングは不可能だろう。

なんといっても「世界」を前提にしているのである。もうこれ以上の構造は存在しない筈だ。


無理だ。もう無理である。


そうしてー、


それを見た哲学者は

「そもそもこの世界が存在しているとは限らない」と発した。










まさかの「存在の否定、前提の懐疑」である。








子孫の有無や年収や幸福など、世界が存在しているという確証がなければ、何の意味も持たない。

そしてーー俺達には世界が存在していると証明する方法がない。



コイツは「真理」を見ている


なんなんだこの過激かつハイレベルなバトルは。終わりがない。


うわ、もう就職活動とかどうでもいいから勝ちてぇ。

コイツらに勝ちてぇ。何故バトルをしているのかまったく意味がわからないが、バチバチじゃないか。俺も混ぜてくれ。

俺もよくわからないこの勝負に勝ちたい。とにかく勝ちたい。




俺はそう思った。しかし-「どうすればこの勝負に勝てるのか?」


勝負に勝つにはとにかく分析が必要である。



就職活動が解禁された3月、俺はこのマウンティングバトルを観察して一つの共通点を発見した。



「会社名→幸福量→熱量→子孫の有無→存在の否定」ときている。

つまり、この勝負においては「構造を俯瞰できているやつ程えらい」のである。



俺はあさった。就職活動という物質的な側面を持つ形而下の活動を思考により抽象化させ、形而上まで持ち込む。



抽象。破壊。構築。幸せとは。現実とはー、教えてくれ。
神様仏様ーこの答えの先には何があるんだ。


そう問いかけ、一縷の望みをかけ、wikipediaへと飛び「ゴーダマシッダールタ」こと、ブッダ
彼の人の考えを知る。

そこに記されていたのが、俯瞰による俯瞰を繰り返し、このマウンティングバトルに勝つ最強の方法。


仏陀「よくわからんし考えたってしゃーない。」
で、ある。


「これだ。」

俺は呟いた。「よくわからんから考えない」これこそが最強の俯瞰かつ構造である。

「考えない」という究極のマウンティング。

このスタンスに対して俯瞰しようにも、俯瞰の時点で「思考している」というロジックエラーに陥り対抗しようがない。



最強だ。マウンティングバトルでとんでもない武器を手に入れてしまった。


そういうワケで俺は就職活動マウンティング大戦における「思考停止」という最強のカードを手に入れたのである。




決まった。就職活動において重要と言われる「就職活動の軸」が決まった。これで完璧だ。


これで負けない。負ける筈が無い。




思考停止だ。就活で重要なのは、やりがいとか熱意じゃない。「思考停止と仏教。」これを軸に活動する。



企業のHPを探しまくり、適当にエントリーしまくる。


名前を知ってるから、友達が働いてるから、なんか有名だから、すごそうだから、広報の人がかわいいから、目にはいったから…etc

その後の怒涛の勢いは語るまでもないだろう。


ESに打ち込むキーボードの音は既に音速を超え、

説明会での「貴重なお話をありがとうございました」の連呼は光速を超え、


光速を超えたことによる相対性理論により俺を過去へと誘い、
説明が始まる前に既にお話を行う人事への「貴重なお話をありがとうございました」は終了している。

人事からキチガイを見るみたいな目で見られるが。
バカだ。遅い。こいつも理解していない。


そうしてさらに秒間1京を超える相槌は、
その速度の余りに素粒子の衝突によるミニブラックホールを精製し、重力をゆがめ、時間を戻し、事象の地平線に触れた人事を過去へと戻し、六道輪廻を体感させる。



数多の輪廻を体感した人事はー、そうして説明会や面接前の俺の「貴重なお話ありがとうございました。」の真意を知る。





「こいつはー、「キチガイ」」ではない。」


既に

「この人は悟って」いたのだー。と。




古来から、人は大いなる意思に触れたときに共通した所作を示す。





両の手を合わせ、矮小な自分を恥じ、その存在に対して「祈る」のだ。



面接の数日後、六道輪廻を何度も往復した人事から俺にはいつも同じメールが届く。

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ブル高様

株式会社××採用担当でございます。
先日は弊社の面接にお越しいただき誠にありがとうございました。
慎重に検討をいたしました結果、
このたびは採用を見送らせていただくこととなりました。
ご足労いただきながら大変恐縮ではございますが、
何卒ご了承くださいますようお願いいたします。
末筆ながら、ご応募いただきましたことにあらためて御礼を申し上げますとともに
○○様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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俺の活動により
人事たちはついに知ったのだ。



エリート就活生の「大いなる意思」に触れたとき
俗物にまみれた弊社の矮小さ。彼の人を弊社が採用するようなおこがましさーを。


そうして、人事は両の手を合わせて、祈る。
祈りを、申し上げるのだ。




就職活動第一シーズンが過ぎた俗世では既に多くの愚者が内定を手にし、活動を終えている。




俺たちエリート就活生は就職活動が終えていない。




いやー、この活動を終えさせてはいけないのだ。



かつてのブッダがそうであったように、


教えを説き、輪廻を回し、人事を改心させる。常世を放置してはならないのだ。


真のエリート就活生たちは今日も「お祈り」を受け取っている。


人事を、会社を、人を、いやー、世界を、救うために。


そうして今日もスーツを着て、ネクタイを締め、電車に揺られ面接へと向かう。





愚者が真理を知るまで、


俺たちの就職活動は、まだまだ、終わらない。