心の中に女子大生を飼え

心の中に黒人、女子大生、ラッパー、プロブロガー、ポエマー、筋肉、オバマ等を飼育している人間によるブログ。

大人になるとゲームせぇへんくなるってマジ?

 

 

 

「大人になるとゲームせぇへんくなるらしい。」

 

「マジ?おれぜったい大人になってもやっちゃうよ~w」

 

「おれゲームだけあればいきていけるもん!」

 

「おれも~w」

 

かつての会話。

何年前やろうか。15年くらい前か?

 

こんなような事を友達と話してたら、アホみたいな勢いで時間が過ぎ去り、大人になってしまった。 

 

大人。22歳。1994年生まれ。平成6年。あるいは365日×22。

成人から二年オーバーover 社会経験なし。

 

RPGでいえばレベル22。

しょくぎょう:なし 

 

初めてやったゲーム。「ゼルダの伝説時のオカリナ

生まれた年に出たゲーム:MOTHER 2, Play station発売。

 

 

「大人になるとゲームをしなくなる。」

 

と、いう事は小さい頃から往々にして聞いていた。

 

僕は小さい頃から生粋のゲームっ子であり、母の胎内でゲーム&ウォッチをプレイし、胎内を突き破りFF6の発売日に並び誕生した。

 

よくインターネットで40歳ぐらいのオッサンが「あの頃のファミコンは~、PCエンジンメガドライブが最高」云々~で、「今の若い子は、ゲームは~」で、あるが20歳を若干突き破った世代の僕たち「生まれた頃にはプレステボーイズ」から言わせて貰えば「そんなもん知らん」である。僕たちは生まれた頃から3Dボーイズだ。

 

小さい頃から鬼のようにゲームをしていた。

 

一日6時間を越えるゲームプレイを毎日難なくこなす小学生の僕に危機感を抱いた母親は、「ゲーム禁止」の無慈悲な鉄槌を下し、

「30分間の家事手伝いで10分間のゲームプレイを許可する」というローマの奴隷を彷彿とさせる過酷な労働環境を課した。

 

隠されたコントローラーの代理を友達から借りてこっそりとプレイし、また隠され、最終的に破壊されたゲームキューブをあきらめ、わざわざ出かけた公園でDSをやる程度にはゲームが好きだった。

 

小さい頃、恐らく周回20週目には入ったであろうゼルダの伝説時のオカリナをプレイしている僕をみて父がボソッとつぶやいた。

 

 

「お父さんも若い頃はゲームいっぱいしたんやけどなぁ、年食うとゲームもやらんくなるんやぞ。」

 

 

父親が若い頃のゲームってなんだ?メンコとかおはじきじゃないのか?

 

「年食うとゲームしなくなるから、今のうちにほどほどに遊んどけよ。」

 

父親はそう言い残すと仕事に出かけていった。

 

「大人になってもゲームを辞めるはずがない。ぼくは永遠にゲームをするんだ」

 

僕は密かに生涯現役を誓い、誰も一緒にやってくれないカスタムロボットをおばあちゃんと一緒に対戦し、完膚なきまでにボコボコにした。

 

おばあちゃん?おばあちゃんは何故かうれしそうだった。

 

 

ゲーム。GAME. GAAAAAMEEEEEEEE.

 

ファミコンスーファミメガドライブPCエンジンプレステゲームキューブDSPSPwii

 

PS2が出た頃にも、僕は順調に学校。ゲーム。部活。終わったらみんなでモンハン。

と、ゲーマーとしてのキャリアを積み、ニンテンドーDSが出た頃に消えた通信ケーブルの距離感の消滅に寂しさを感じつつ日々をこなしていった。

 

 

そうして時代は2016年。通信ケーブルは消え去り、代わりにオンラインプレイが遠く離れた友人達とのプレイも可能にし、最近ではVRまで出るらしく、「現実よりキレイじゃん!」だなんてテンション爆アゲだったPS3は4まで出てしまった。

 

 

気づけば、手の上にコントローラーが鎮座する事が少なくなった。

 

 

あれ?おかしい?あれ?

 

 

高校生の頃は一年に確実に300回はコントローラーを握っていた。

死ぬほどハマったメタルギアオンラインのプレイ時間は2000時間を越えた。

育てやの前を時間がカンストするまで往復したポケモンは乱数の調整まで覚えた。

お兄ちゃんとスマブラで喧嘩になって殴り合いもちゃんとした。

 

大人になってお金に余裕も少しできた。誕生日とクリスマスにしか買ってもらえなかったゲームソフトは今ではamazonで1円で買えるゲームもある。あ、でもFF15はまだ発売してない。

 

そもそも自宅にPS4が無い。安くなったら買おう買おうと思っていて3万円を切った。もうすぐVRが出る。望みに望んでいたゲームの世界への没入の時代だ。

 

でも買ってない。一応PS4を買える程度の予算はある。けど買ってない。

 

そうだ。入試。今年は試験があって忙しかった。

 

だからゲームを控えてたんだったHAHAHA。忘れてた。

 

入試の勉強中にリスト化したやりたいゲーム一覧には40本以上のゲームが並んでいる。

 

メタルギアソリッド5、ポケモン、COD,BF,watch dogs, Fall out4。

 

 

うおおお!これで一生困らないラインナップだ。

 

入試が終わった僕は、steamでゲームを買い、ネットカフェで12時間パックを契約し待ちに待ったゲームの世界へと突入…しよう…と、した。

 

「ん…面白いけど…なんか…疲れた…」

 

美しいグラフィック。洗練されたゲームシステム。映画に引けをとらないシナリオ。

圧倒的な自由度。いつでもどこでも友達とできるオンラインプレイ。

「0% 0% 0% 」起動したってそんな事はない。クラウドだ。どこでもセーブデータを引き出せる。確実に、あの頃よりゲームは進化してるし面白くなってる。

 

でも何か疲れた。

 

いやいやいや、待て待て。

 

僕は大人っつっても22歳だぞ?全然若い。ゲームで疲れたって30歳とかでしょ。

嘘。マジ?それガチ系?パないやん。

 

 

いつごろからか気づいたら、ゲームをしなくなっていた。

 

「あ、忙しいからゲームしなくなったんだ。」そう思った。

 

いや、違う。ゲームする時間は作る物だ。そのネットサーフィンを削ってゲームが出来る。仮病を使ってでもゲームをするんだ。

 

 

 

かつては世界を救う勇者として世界に君臨し、かつては悪魔狩り。かつては伝説の傭兵。かつてはマフィア。蚊だった事もある。ゲームの中で彼氏だった。永遠の愛を誓った。何人との永遠の愛を誓った彼氏だったんだ?もう覚えてねぇ。

 

つーかデビルメイクライ4まだ途中だよ。どうすんの、世界悪魔だらけになっちゃうじゃん。僕が救わなきゃならんのに。

 

あ、逆転裁判もまだ途中だ。あの人まだ有罪扱いのままだよ。

 

 

「気づいたら、ゲームを、しなくなっていた。」

 

愕然とした。つーか周りの子もやらなくなってきた。

やってもソシャゲ。もうゲーマーじゃない癖に「ソシャゲはゲームじゃない!」だなんて変なプライドが邪魔してやる気にならない。なんなんだこのプライドは。

 

一緒に毎日ゲームしてたおにいちゃんは生まれたばかりの息子につきっきりだ。

 

なんでだろう。「現実が楽しくなったから?」いや、そんな事はない。

昔よりしんどいし、責任も増えたし、バイトだるいし、彼女いないし

 

じゃあ「忙しくなった?」いや、そんな事はない。今実質ニートだし。

今日なんか一日天井のシミみてたし。

 

 

そして、ゲームは確実に昔より面白くなってる。じゃあ、やらなくなった理由がわからない。

 

 

「ゲームもリアルだけど現実のほうが圧倒的にリアル」そんな事も思ったけど、現実でマフィアにはなれない。世界も救えない。そもそもコレよりグラフィックがリアルになる気がしない。

 

 

「アレじゃん?ゲームしてると時間勿体無いっていう罪悪感じゃん?」

それも無い。なんつったって僕は実質ニートだ。ニートにそんな向上心は無い。

もう一度言う、ニートに、そんな、向上心は、無い。

 

罪悪感があるならネットサーフィンもツイッターもやめてる。罪悪感なんてまったく感じてない。

 

疲れてるわけじゃない。体力だってある。毎朝ランニングキメて寝る前にも走るくらい元気だ。

 

「なんとなくゲームするのはダルいけどゲームがしたい。」

 

「半ライス大盛り」みたいな矛盾だ。自分でもこの感情がわからない。

 

よくわからない。ゲームしたいけどしたくない。中途半端な気持ち。ゲームがしたい。

 

3DSでリメイクされたゼルダの伝説時のオカリナを買った。

 

「あ、そうそう、コレコレ~ここで次に敵が出るんだよな~!ハイキタ!キマシタ!やっぱね~わかってるわかってる。」

 

ハマった。予定調和。わかりきった展開。

何週目だ?30週はマジで超えてる。ゼルダは難なくプレイできた。

 

あ、じゃあオンラインだ。オンラインゲームやろう。

 

小さい頃の僕の夢はゲームの世界に入り込む事だった。

 

その願いがかなったのは、中学2年生。メタルギアオンライン

現実世界の僕は、0と1の二進数に分解され、ゲーム上で兵士として再構築された。

 

仲間を助ける。敬礼が返ってくる。連携。撃破。勝利。

 

「あ、僕ゲームの世界に存在してる」そう思った。

 

「やっぱあれだ、仲間よな、仲間がおらんからできへんのや。」

 

と、言うわけで無料のオンラインFPSゲーム。

無料でも最近のはクオリティが凄い。再構築。戦場。いくぜ!

 

……。

 

5分でマウスを分投げた。死んだ。勝てない。オモロない。

 

なんでだろう。何故かゲームする気にならない。

 

もうコントローラーも隠されないし、制限も無い。欲しいゲームも買える。

やりたいゲームは山ほどある。ゲームはどんどん進化してる。

PSVRなんて僕の夢そのまんまだ。ゲームの中に入り込めるんだぜ?最高じゃん。

 

なのに、やる気にならない。けど、ゼルダは出来た。

 

脳がオッサン化すると、「新しい刺激」よりも「慣れ親しんだ刺激」をもう一度体験する事を選ぶ傾向が多いらしい。

 

確かに。いや、オッサンって言う年齢でもないけど「一度見た映画をもう一度見る」

「一度見たアニメをもう一度見る」みたいな事がたまにある。面白そうな新作はたくさんあるのに無性にもう一度見たくなるのだ。

 

楽しい事は、足元に転がりまくっている。けど、拾うのがダルい。

なので、一度吐き出したガムをもう一度咀嚼している。

 

今の小学生って何のゲームしてんだ?生まれた頃からPS3があるとか信じられない「僕たちの時代は~」あ、これ僕の父親と同じじゃん。

 

でも案外、今の子供はスマホゲーをしている。wii Uとかあるじゃん。

家では据え置きでやってんのかな?でもあんまりイメージが無い。

 

いや、否定しない。スマホゲーを否定しているわけじゃない。けど、ゲームは「作品」でソシャゲは「商品」だ。だから、ゲームとは呼びたくない。でも、僕はもうゲーマーじゃない。

 

 

あるいは、「自分の人生」をより色濃く実感するようになったのかもしれない。

 

誰でも無かったけど、役割を与えられた。ニートという立派な役割。違うか?違うな。

 

「誰かの何か」になることが増えた「どこにいる誰か」になることが増えた。

 

所属する場所が増えた。積み重ねた物が増えた。使えるお金も少し増えた。

やらなきゃいけないことも増えた(やらないけど)。

 

このじんせいRPGとかいうやつの、モンスターの出るステージにほっぽり出された。

あ、去年の年金払ってないわ。払わなきゃ。

 

じんせいRPGは意外とクソゲーだ。倒せるかわからない敵。やたらと長い移動ムービー。上げるのに長すぎるレベル。好きな子ができても会話の選択肢すらでてこない。

 

いや、「やるべき事が増えたから、立派になったからゲームをしなくなった」んじゃない。やってる人はいっぱいいる。

 

欲しいものをコスパで選ぶ事が増えた。やりたいゲームをゲーム実況で満足することが増えた。わからない事はインターネットで検索する事が増えた。

 

 

攻略本みたいに、「○○するための○○な方法!」「○は○○である」みたいな事まで知識として書いてある。話すたびに色んな事を語ってくれた友達は、昔より仕事の話が多くなった。友達と集まって、昔の話ばかりする事が少し増えた。

 

 

誰かの作った歌に、誰かの作った服に、誰かの炎上に、誰かの何かに乗っかって自分の物にする事が増えた。それは決して悪いことじゃない。

 

だって、ゲームだってそうでしょう?

 

けど、あぁ、ゲームを操作して選んで「決断」して「行動」して「結果」を受けたのはプレイヤー自分自身だ。

 

でも、みんなソシャゲはやる気になるらしい。

 

一応ゲームもゲームで「努力」する。その結果「クリア」できる。

ソシャゲは、「クリア」は無いけど札束でぶん殴れば「結果」は出してくれる。

 

積みゲーも増えた。タスクも増えた。あがらないレベル。

 

なんか、なんとなく、だるいのだ。ゲームに限らず、全体的にだるいのだ。

 

作る、選ぶ、考えるよりも目の前に提示され省略化された結果を選ぶ事が増えた。

 

 たぶん、いつかどこかで自分のコントローラーがバグったのだ。

 

 「やりたいのにやりたくない。」「したいのに出来ない。」「やりたいはずなのに別の道を選ぶ」

 

そんな感じ。だから、変な矛盾を抱えて積みゲーも、好きなことを追う事もうまくできなくなってしまったのかもしれない。

 

 

あぁ、途中のゲームを再開しなきゃ。

世界は悪魔に支配されたままだし、被告人は有罪のままだ。

 

 

ダルいけど。ニート辞めるのも、ゲームするのもどうせはじめたら楽しいんだろう。

 

 

ゲームは時間の無駄?知らん。でもやりたいんだもん。

どーせ本格的にはじめたらドはまりするにきまってる。

 

 

 

接触の悪い自分のコントローラーを引っこ抜いて、フーフーしてかっちりと刺しなおしたら、また、新しいゲームでもやろうかな。

 

「時間の無駄だ」とか「そんなんより現実をがんばれ」とか色んな人にワーワー言われても、どれだけゲームをしなくなっても、コントローラーを握るための自分のコントローラーくらいはせめて自分で握っておけるゲーマーでありたいな。と思う。